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手打ちうどん解説INDEX
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1.材料
●小麦粉・・・小麦粉はできるだけ新しいものを使いましょう。新しいほどおいしいうどんができます。
●塩・・・・・普通の塩で充分です。
●水・・・・・普通の水で充分ですが、硬度が高いものは良くありません。
●打ち粉・・・小麦粉でも代用できますが、専用の打ち粉があれば、うどんがくっつきにくくなります。
−うどん作りに用意するもの− |
大きめのボウル1個 |
塩水を入れる容器1個 |
60cm四方の打ち台もしくはテーブル |
4〜5リットル用の鍋 |
ビニール袋 |
麺棒 |
包丁 |
茹で著 |
ざる |
予備知識
小麦粉はうどんになると約3倍の重さになります。お店に並んでいるうどんは、1玉200gなので小麦粉換算すると70g程度です。でも、これは小振りであったり、また自分でうどんを打つと、切れっ端ができたりするので、小麦粉100gを1玉の目安にしましょう。
うどん生地は気温が高くなると柔らかく、逆に低いと硬くなります。よって、一定の硬さに保つためには、夏は水を減らし、冬は増やします。
また塩には、グルテンを引き締め、生地を硬くする性質があるので、夏は塩を増やし、冬は減らします。
この二つが基本的な原理原則です。また次の「加水率」と「塩水濃度」ということばも是非おぼえておきましょう。
例えば、小麦粉1kgで生地を作るときは、加える塩水が500gのとき加水率50%となります。
また食塩50gと水450gで塩水を作ったとき、塩水濃度は、10%となります。
塩水の量を決めるのが面倒なときは、加水率はいつも50%と決めておき、後は季節に応じて、水と食塩の量を調整するのも簡単な方法です。一般には、夏は塩水濃度13%、冬は10%、そして春秋はこの間で調整します。これを表にすると次のようになります。
季節 |
小麦粉(g) |
食塩(g) |
水(g/cc) |
( )内は小麦粉
500gのときの分量です
|
春・秋 |
1,000g(500g) |
58g(29g) |
442g(221g) |
夏 |
1,000g(500g) |
65g(32g) |
435g(218g) |
冬 |
1,000g(500g) |
50g(25g) |
450g(225g) |
※タンパク質の少ない小麦粉(「さぬきの夢2000」など)の場合は、食塩を少し増やし、
また加水を少し減らすとうまくいきます。
※加水量は、小麦粉の状態、気温、湿度などにも影響を受けます。
上記はひとつの目安として考え、皆さん自身で適切な加水量を決めてください。
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2.水合せ(混合)
以下小麦粉500gについて説明します。大きめのボウルに小麦粉を入れ、用意した塩水を少しずつ加えながら、混ぜ合わせます (図1)。
要領は五本の指を立てたまま、手全体を水平に円運動させることです(図2)。または、箸を使うと小麦粉が指にくっつかないので、この方が良いかもしれません。
目標は小麦粉と塩水を均一に混合させることで、全体がそぼろ状、またはおから状になることを確認します(写真1)。
手打ちの場合、 全工程の中で多分ここが一番難しく、そして重要な作業です。
※気温の低いときは、この水合わせが終了した段階で、乾燥しないようにして10分~15分程度放置します。
これを予備熟成、もしくはそぼろ熟成といい、これにより水分が小麦粉の隅々まで行き渡り、
次の練り工程がうまくいきます。
※気温が低いときは、ぬるま湯程度の塩水を使用すると熟成が速くすすみます。
(下の寝かし工程を参照ください。)
※時間が経過してダマのできた小麦粉は、最初に飾ってやると、水回しがうまくいきます。
※500g程度の小麦粉なら、お箸を使うと、指に粉がくっつかずに、うまく混ぜることができます。
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3.足踏み(捏練)
そぼろ状の塊を両手で寄せながら、粘土を捏ねるように、だんごの状態に近づけます。だんごができあがったら、ビニール袋に入れ足踏み作業に移ります。(20回程度足踏み→丸めて団子にする)を1セットとし、これを3~4回繰り返します(図3)。
※あまり踏みすぎると生地が硬くなり、その結果うどんが硬くなったり、ゆで時間が長くなったりするので
気をつけましょう。足踏みが足りないと、コシがでませんが、多すぎてもよくありません。
※水合わせのことを「混合」、足踏みのことを「捏練(ねつれん)」(捏ねることです)といい、この二つをあわせて、
「混捏(こんねつ)」といいます。それぞれ目的が異なります。
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4.寝かし(熟成)
足踏みが終わると、だんごに成形して、ビニール袋に入れ寝かします(熟成工程)。
寝かしの時間は、最低でも夏:1時間、冬: 2〜3時間、そして春秋:1〜2時間は確保してください。熟成時間が短いとおいしいうどんになりません(図4)。
※熟成は気温が高いと速く進み、逆に低いと遅くなります。
真冬(5°C以下)だと何時間おいても熟成しないので、毛布にくるんでこたつに入れるのも良い方法です。
※冬場、うどんの味が薄いと感じる場合は熟成不足が原因かも知れません。
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5.延ばし
打ち台にだんごを置き、くっつかない程度の打ち粉を振ります。麺棒で押さえつけながら、平たく延ばしていき、直径が30cm位になったら(図5)、麺棒に巻きつけ、押さえつけるように前後に転がしながら延ばしていきます(図6)。少し延ばしたら、生地を打ち台に広げて、打ち粉を振ります(図7)。
今度は逆方向から巻き取ります(図8)。一辺が50cm位(500gの小麦粉 使用時)になったら完了です(図 9)。
打ち台に広げてみて、少し厚いところがあれば、その部分だけ麺棒で押さえて、修正してやります(図10)。
※経験を積んだ人は、「すかし打ち」ができます。
これは、延ばすときに麺棒が一瞬、打ち台から浮き、それが落ちるときに「トン」と音がします。
これを連続的におこなうと、「トントントン」とリズミカルな音がしますが、これが「すかし打ち」です。
※延ばした生地を広げると、麺棒に近い部分が延びて薄くなっているのがわかります。
理由は、生地が巻かれた状態では、麺棒に近いところ程大きな力が加わるからです。
よって(図8)のように厚い部分から巻き取ると、平均的に延ばすことができます。
※延ばすとき、手で押さえている部分には力がかかって いるので、そこは余計に薄くなります。
ですから押さ える場所を適当にずらせることによって平均的に延ばすことができます(図1)。
※延ばし終わった生地は、円ではなく、正方形の方がいいとされています。
理由は、正方形だとうどんの長さが均一になるからです。正方形に延ばすには次のようにします。
延ばし始める前に、麺棒で生地のある部分を押さえると、そこが出っ張ってきます。
(これを「角出し」といいます)
そこを正方形のひと つの角に見立て、同様に他の3つの角も出してやります。
そして延ばすときは、この4つの角からA→B→C→Dの順番に巻き取って延ばしてやれば、
だんだんと正方形になってきます(図12)。
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6.切る
延ばしが完了したら、これを「屏風だたみ」にします(図13)。
このとき、重なり合う部分には、適度の打ち粉を振り、くっつかないようにします。
切るときに左手で強く抑えるとくっつきやすくなるので気をつけましょう。切るときはできるだけ切れ味の良い包丁を使ってください。
またうどんは水を吸ってかなり太くなります。できあがりのうどんをイメージしながら切ると、太くなりすぎるので、注意してください。太さは図14のように3ミリ位に揃えて切ってください。
※手打ちうどんは、加水率が高いので、どうしても切った麺がくっつき
やすくなります。これを防ぐひとつの方法は、屏風だたみした生地の
上面に多少多めの打ち粉を振ることです(図15)。これによって、切っ
たときに打ち粉が麺と麺との間に入り、くっつきにくくなります。
※小麦粉を打ち粉に使用することも可能ですが、ゆでずに長時間保存
する場合は、うどんがくっついてしまうので不適です。
※少し高価ですが、「麺切り台」を使うと、一定の幅で早く切れます。
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7.ゆでる
できるだけ大きな鍋で、沸騰したお湯を使用します。うどん100gあたり1以上のお湯が理想です(図16)。
大きな鍋を使う理 由は2つあります。まずはたくさんのお湯でゆでた方が、うどんが粘らずに、また含まれる塩分が抜けて、おいしくゆであがること。
もう一つは、うどんを入れたときに湯温が急激に下がらないからです。
どんなに上手に作ったうどんでも、ゆで方がまずいとおいしいうどんにはなりません。ゆでている間は、うどんが軽く泳ぐ程度がベストです。
※釜揚げ、釜抜き(ゆでているうどんだけをそのまま器にとりだすこと)の場合はゆで時間を多少短めにします。
※ゆで時間は太さにもよりますが、普通は15分以内です。
それ以上かかるようなら、練りすぎて生地が硬くなり過ぎているなど他の理由が考えられます。
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8.洗う
ゆであがったら素速く冷水にさらします。軽く麺をこするようにして、表面のぬめりをとります(図18)。
水洗い後は、一玉ずつ取り分けてやります。取り分けると、次にうどんが取りやすいだけでなく、見た目もきれいです。
うどんはゆであげ直後から劣化が始まります。できるだけ早く召し上がりください。
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動画で分かる!手打ちうどん解説
以前からもう少し動きが分かれば・・・という声をいただいていました。 そこで木下製粉にてうどんの打ち方動画をご用意しました。
下記の動画を参考に、お家で作れる讃岐うどんをぜひお楽しみください。
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